昨日のロータス101Tジャッドは89年シーズン参戦マシンですが、
今日話題に上げるレイトンハウスマーチCG901はその翌年のマシン。
今、F1のトップチーフデザイナーの一人である、
エイドリアン・ニューウェイ(現レッドブルレーシング)の名を上げたのは、
何を隠そうこのレイトンハウス時代のこと。
88年のCG881はニューウェイのF1処女作で、
無敵だったマクラーレンホンダを鈴鹿でぶち抜いたという、
ターボ時代において唯一NAマシンがトップに立ったマシン。
このマシンは空力を重視したマシンで、
翌89年用に開発したCG891はさらに空力を重視した結果、
過激な空力を攻めたために非常に敏感なマシンになってしまった。
そして90年仕様のCG901では、CG891に改良を施した仕様といえる。
しかしこの901もスムーズな路面でしか本来の性能を発揮できない、
非常に敏感な空力マシンであり、中盤まで1-2位を走る大活躍で、
1ストップ作戦でI.カペリがあわや優勝という名レースのフランスGP2位のみという、
あまり良い成績を残せなかったマシンである。
このジャッドEV・V8エンジンは、620馬力を発生したといわれる。
ウィリアムズFW12やロータス101Tに搭載されたジャッドCVはバンク角90°であったが、
レイトンハウスは空力のために専用エンジンをわざわざジャッドに製作依頼、
狭角バンクのジャッドEVと名づけられ、画像のように非常にコンパクトに収まる↓
とにかくこのクルマの特徴は空力。
空力のスペシャリストであるニューウェイらしいボディラインがあちこち見られる。
なだらかに持ち上がるノーズのライン、Fウィングの翼端版の形状、
空力優先でギリギリまで攻めシェイプさせたモノコック形状、
規定最低限の開口部のホームベース型形状、スリークなサイドポンツーン、
インダクションポッドの鋭い峰立ったシャープなライン・・・
90年代前半までのニューウェイらしさ満開!!
マンセルが勝ちまくったFW14系のデザインへ通ずるものがそこここに見える。
この時代の個人的に好きなマシンだっただけに、間近で見られたことに感慨ひとしお!!
バブルの香りプンプンで鮮やかなレイトンブルーと共に、
あの時代のF1を懐かしんでおりました(笑)